こどもアトリエ青 Kids Art Studio Blue

「こどもアトリエ青」はARTを通じた国際交流により子供達の表現力を最大限に引き出し海を渡って仲間同士を繋げる活動をしています。

予定調和をやめてみたら

わくわくワークショップの会場のほか私の大人の水彩画教室などかれこれ5年間お世話になっている大津市市民活動センターさんのイベント「絵画コンクール2018」をご紹介します。ご興味のある方は是非ご参加されてみては如何でしょうか☺️

詳細はこちら→     http://movementotsu.com/bill/art.bill.1808.pdf

 

ところで、こどもアトリエ青は、アートに取り組む方向性がこれとは全然違うな〜と改めて思いました。どちらが正しいとかではなく、私はアートを通して子供の自我の素の部分を感じ取るところから始めます。取り組むのは、会話だけでは不可能な心と心のコミュニケーションです。それからゆっくりとその子の独自性を見過ごさずに観察します。ここで焦ってはいけません。この時間が思春期以降の成長に大きな影響を及ぼします。だから啓発やメッセージに寄せて絵を描くとそれらは全部隠れてしまいます。一時的とはいえ、早く大人になってしまわざるを得ないからです。そこから素に戻るのに30年掛かったりします。

今日は今まで何回か私のワークショップを受けてくれている小一のS君がお母さんと遊びに来てくれました。彼の幼稚園の時の作品は2017年にセルビアの国連小学校でも展示しました。

f:id:IshidayasunariART:20180908235505p:image

この時は、技法などをレクチャーしたのですが、今日は彼が描きたい様に描いてもらいました。すると凄いアートが生まれました!

f:id:IshidayasunariART:20180908235727j:image

これを見て何もかもが中途半端でまとまっていない!これのどこがいいの?と反感を持つ方が非常に多いのは理解しています。しかし、ここには彼の息遣いが全部正直に出ています。逆に言えばそれだけが存在します。これはなかなか稀な事です。彼は自分の思う通りに表現出来ない線を白絵の具で消しました。でも、新たな描き込みはありません。それは、どう描くべきかまだわからないからです。妥協したくないから描かないのです。失敗ではないし、未知数です。

私はこの絵を見て、予定調和が一切ない事に感動しました。絵描きが一番恐れる結果が予定調和なのです。大人の絵画教室では、「手際良くまとめたい。人より上手く描きたい。容量よく進歩したい。」など、全部いい絵の邪魔になる雑念を持つ方が大半です。嘆かわしい事です。いづれS君がすごい絵を描くだろうと非常に楽しみになりました。そして、私は絵描きとしてまた子供に一本取られてしまったのです😆  

この絵をもらってもいいかと尋ねると「欲しいならあげるよ」と言ってくれました。「S君、ありがとう。またいつでも来てね!」と言って別れました。